2015_10月
2015_10(No411)よりP8、9マイナンバー特集です。
 

①「企業の対応は急務」

社会保障と税を一つの番号で管理
 マイナンバー制度とは、住民票を持つ者全員に「個人番号」(法人には「法人番号」)を付して、行政手続などで利用する制度である。これにより、行政機関が保有する社会保障と税の情報が一つの番号で管理できるようになり、社会保障の不正受給の防止や、正確な所得把握などが可能になる。マイナンバー制度の開始に伴い、平成28年1月以降、社会保障関係の書類や税務関係の書類に、順次個人番号・法人番号を記載することが求められるようになる。
 従って、民間企業で、①従業員・扶養親族、株主、取引先(支払調書を提出する取引先のみ)などから個人番号・法人番号を収集した上で、②これを保管し、③健康保険組合・年金事務所・ハローワークなどに提出する社会保険関係の書類に従業員などの個人番号を記載したり、税務署や都道府県に提出する源泉徴収票・支払調書・報告書などに従業員・株主・取引先などの個人番号・法人番号を記載する必要がある。つまり、マイナンバー制度への対応をしなくてよい民間企業は存在しないのである。
 個人番号は、住民票があれば国籍や年齢を問わず全員に付番される12桁の数字である。平成27年10月に、市区町村から、住民票の住所宛てに、各個人の「通知カード」が郵送されることで通知される。
 
取扱いには厳しい規制が
 個人番号をその内容に含む個人情報のことを「特定個人情報」という。例えば、従業員の氏名・電話番号といった情報に個人番号が加わると「特定個人情報」になる(個人情報+個人番号=特定個人情報)。
 この個人番号と特定個人情報は、取り扱いについて厳しい規制が存在する。例えば、民間企業は、原則として行政機関などに個人番号を記載した書面を提出するために必要な場面以外で、個人番号を利用すると違法となる。
 また、行政機関などに個人番号を記載した書面を提出するために必要な場面以外での特定個人情報の第三者への提供、収集、保管も全て違法である。特定個人情報のデータベースなど(「特定個人情報ファイル」)も、行政機関などに個人番号を記載した書面を提出するために必要な範囲を超えて作成すると違法となる。
 さらに、個人番号を取得する際には、必ず「本人確認」を行わなければならない。具体的には、①番号確認(番号が間違っていないか否かの確認)、②身元(実在)確認(提供している人間がなりすましでない本人であることの確認)が必要となる。この本人確認の実務をどのように構築するかが、民間企業におけるマイナンバー対応の最大の難所となる。
 
来年1月スタート 対策は今年中に
 民間企業は、平成28年1月から順次、行政機関などへ提出する書類に個人番号・法人番号を記載することが求められている。このため、今年中に、取り扱いの規制や本人確認の義務などを前提とした①個人番号の収集、②保管、③行政機関などへの提出のための業務とITシステムの構築を行わなければならない。民間企業は、まさに待ったなしの対応を迫られているのである。
 

②「手間のかかる本人確認」

多数の関係者の個人番号を収集
 第2回は、民間企業で必須となる3つのマイナンバーへの対応(①個人番号の収集、②個人番号の保管、③帳票への記入と行政機関などへの提出)のうち、①個人番号の収集について詳しく解説する。
 マイナンバー制度の下では、社会保障と税に関する書類に個人番号を記載する必要がある。
 
 そのため、民間企業は、源泉徴収票などの税務関係の書類と、社会保険関係の書類に、個人番号を記載するために、従業員とその扶養親族などの個人番号を収集する必要がある。また、支払調書を提出する取引を行っている取引先と株主からも、個人番号を収集する必要がある。
 
 個人番号の提供を受ける際には、必ず「本人確認」を行わなければならない。具体的には、本人から提供を受ける場合には、①番号確認と②身元(実在)確認が必要となる。
 「番号確認」とは、番号が間違っていないか否かの確認であり、個人番号カード、通知カードまたは住民票で行うのが原則である。「身元(実在)確認」とは、提供している人間がなりすましでない本人であることの確認であり、個人番号カード、運転免許証または旅券などの顔写真付き身分証明書で行うのが原則である(これらの書類の提示が困難である場合には年金手帳や健康保険証などを2つ組み合わせて確認する)。
 そのため、社内の誰が、どのようにして、従業員、取引先、株主などから通知カードや運転免許証などの提示を受けるのかを検討しておく必要がある。
 また、代理人から提供を受ける場合には、①代理権の確認、②代理人の身元(実在)確認、③本人の番号確認が必要となる。代理人から提供を受ける場合の典型的な例は、国民年金の第3号被保険者関係届を、従業員を通じて会社が受領する場合である。
 
例外を活用し 負担少なく
 なお、「身元(実在)確認」(運転免許証・旅券などの確認)に関しては、①企業が書類に氏名・住所などをあらかじめ印字して配布し、その書類を用いて提供を受ける場合、②入社時に、運転免許証や旅券などで本人確認している企業において、対面で提供を受ける場合など、③一度本人確認した同一の者から継続して個人番号の提供を受ける場合で、対面である場合など、については不要となる。
 
 従業員、取引先、株主が多数に上る企業においては、本人確認の事務負担が非常に重くなることが考えられる。本人確認については、前述の方法以外の多様な例外が定められているので、自社にとって最も負担の少ない方法を確立することが重要である。
 
(牛島総合法律事務所 弁護士・影島広泰)
 
平成27年10月会議所ニュース本紙
→PDF
2015_411_10.pdf

主な内容

P1(表紙撮影場所:立石公園)

P2_3(諏訪圏工業メッセ) 

P4_5(諏訪湖まちじゅう芸術祭、NTTデータ講演、永年勤続者表彰式他)

P6_7(オンライン登記、廃業準備貸付、労働保険と助成金説明会、国保をやめる手続きを忘れずに、他)

P8_9(マイナンバー特集快進撃企業に学べ、トレンド通信*本紙のみ掲載)

P10_11快進撃企業に学べ、トレンド通信*本紙のみ掲載、行事予定、新会員のご紹介)

P12(アクサ生命広告)

 

以上