2015_12月
2015_12(No413)よりP8、9マイナンバー特集です。
 
第1回から第4回まで、マイナンバー制度の法律の概要について弁護士の影島博康氏から解説がありました。第5回から第7回は、マイナンバー法の社会保障関連を中心とした、注意点などを社会保険労務士の視点から解説いたします。

⑤「10月から通知開始」

外国籍も対象者
 マイナンバーは、今年の10月から住民票のある人全員に付番され、住民票の住所地に世帯ごとにまとめて、簡易書留で送られる通知カードによって通知されます。ここでご注意いただきたいのは、国籍は関係ない点と、住民票の所在地に簡易書留で届く点です。平成24年7月から、外国籍でも3カ月を超えて在留する中長期在留者には住民票が作成されるようになりましたので、この場合はマイナンバーの対象となります。
 また、実際の住所と住民票の所在地が異なる場合、通知が届かないケースなどが考えられます。さらに、簡易書留は、1回目の配達日から7日以内に受け取れない場合は差出人へ戻されてしまいますので、不在がちの場合は注意が必要です。今のうちに従業員へのマイナンバーの受け取り方法の案内を始めておきましょう。
 
年末調整が収集の機会
 次に、マイナンバーを利用する事務は厳しく制限されており、①社会保障、②税、③災害対策の3つの分野のみとなっています。そのうち、①の社会保障分野で一般企業に関連する事務においてマイナンバーを利用できるのは、健康保険・厚生年金保険・国民年金・雇用保険などの法令で決められた手続となります。
 マイナンバーの利用開始は原則平成28年1月からですが、健康保険・厚生年金保険などの社会保険については1年遅れの平成29年1月から開始予定です(国民健康保険組合は原則通り)。そうすると、一般企業において、3分野のうち最も早くマイナンバーを収集する機会が来るのは、②の税分野における平成27年の年末調整でしょう(従業員から「平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の回収が行われるため)。
 
利用目的はまとめて提示
 さて、マイナンバーを取得するときは、個人情報保護法に基づいて、利用目的を本人に通知または公表する必要と、本人から直接書面に記載されたマイナンバーを取得する場合は、あらかじめ本人に対してその利用目的を明示する必要があります。
 そうなると、②の税分野で集めたマイナンバーを①の社会保障分野でそのまま使用すると、利用目的が異なるため、利用目的の変更をしなければなりません。しかし、それでは二度手間となってしまいます。
 マイナンバー取得時に、複数の利用目的をまとめて明示することが可能なので、最初に取得する時に雇用保険や健康保険の事務など、社内で利用する事務を洗い出し、まとめて明示することによって効率的に収集することができます。通知などは従業員に扶養されているご家族への通知も必要ですので、就業規則への明記や社内LAN通知と併せて、利用目的を記載した書類をご家族にも提示するなどの配慮が必要です。今年の年末調整のご案内とあわせて、マイナンバーの利用目的の通知などを行いましょう。

②「厳格な本人確認方法」

番号カードを活用
 前回は、通知開始時の注意点や、マイナンバー取得時の利用目的の通知について解説させていただきました。今回は事業所における、マイナンバー取得時のポイントを解説いたします。
 さて、前回でも述べましたがマイナンバーを利用する事務は厳しく制限されており、①社会保障、②税、③災害対策の3つの分野に関する手続き書類の作成事務を行う必要がある場合に限り、本人にマイナンバーの提供を求めることができます。その際には利用目的の明示とともに、なりすましなどの防止のために本人確認が求められています。
 この本人確認の方法も厳格に決められており、そのマイナンバーの番号が正しい番号がどうかの確認「①番号確認」と、その手続きを行っている者がそのマイナンバーの正しい持ち主であることの確認「②身元確認」を行わなければなりません。この①、②の2つを同時に行えるのが「個人番号カード」です。
 「個人番号カード」は、平成28年1月以降希望者に発行されるカードで、表面に顔写真と氏名、住所、生年月日、性別が記載され、裏面にマイナンバーが記載されます。そのため、裏面で「①番号確認」、表面で「②身元確認」が行えるようになっています。
 なお、この「個人番号カード」の申請書が住所や氏名などを印字した上で、平成27年10月以降に住民票の住所地に簡易書留で届く通知に同封されます。希望者はこの申請書に署名または押印をし、写真を添付の上、送付すると無料で「個人番号カード」の交付を受けられます。平成28年1月以降に個人番号カードの受け取り通知が届いたら、各市町村の窓口で受け取ります。また、個人番号カードの有効期限は、20歳以上が10年、20歳未満が5年となっています。
 
年内は旅券などのチェックで対応
 ところで、前回、年末調整がマイナンバーの収集の機会と申し上げましたが、この「個人番号カード」の発行は平成28年1月以降となりますので、今年末の場合「個人番号カード」以外の本人確認の方法となるでしょう。個人番号カードが無い場合は、原則として「①番号確認」を「通知カード」か「マイナンバー記載の住民票」で、「②身元確認」を「運転免許証」か「パスポート」などで行うようになっています。もっとも、マイナンバーの住民票への記載は平成28年1月以降となっていますので、今年末の「①番号確認」は「通知カード」のみとなりそうです。
 それでは「運転免許証」や「パスポート」を持っていない場合などはどうなるのでしょうか。これらのルールについて詳細に定められていますが、3分野の事務のうち②の税分野について国税庁(税分野の個人番号利用事務実施者)が「国税分野における番号法に基づく本人確認方法」を公表していますのでここに書かれた例示に従って本人確認をすることができます。
 しかし、①社会保障分野については、平成27年7月14日現在、厚生労働省(社会保障分野の個人番号利用事務実施者)からこれらの基準は公表されていません。従って、①の社会保障分野における本人確認の仕方は原則通りの方法となりますので注意が必要です。
 
第3号被保険者の届け出には注意
 なお、②の税分野における、「扶養控除等申告書」の会社への提出義務者は従業員となるため、本人確認は従業員のみでよく、扶養親族の本人確認は会社がする必要はありません。それに対し、国民年金の第3号被保険者の届け出は会社への提出義務者は配偶者である第3号被保険者となるため、従業員のマイナンバーと配偶者である第3号被保険者のマイナンバー両方の本人確認が必要です。
 さらにご注意いただきたいのは、このときに従業員が配偶者である第3号被保険者に代わって提出する場合、代理人となるため、①代理権、②代理人の身元確認、③本人の番号確認の3つを確認する必要があります。また、対面での確認には「個人番号カード」「通知カード」「運転免許証」や「パスポート」などは現物の提示が求められていることにも注意が必要です。
 「個人番号カード」は本人確認にも便利なので、ぜひ無料で交付を受けていただきたいと思います。
 
(特定社会保険労務士・小林元子)
 
平成27年12月会議所ニュース本紙
→PDF
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主な内容

P1(表紙撮影場所:立石公園)

P2_3(マル経融資のご案内) 

P4_5(臨時議員総会、法人会50周年、CCRC視察、各種セミナー、他)

P6_7(小規模企業共済、個別指導会、他)

P8_9(マイナンバー特集)

P10_11快進撃企業に学べ、トレンド通信*本紙のみ掲載、行事予定、)

P12(新年会、特定商工業者負担金納入のお願い)

 

以上